ネットの情報の注意点

その情報は「自分の条件」に合うのか?

 10年前には考えられなかったことですが、今ではインターネットで多くの情報が手に入るようになりました。「ハワイ出産」も例外ではありません。ネットで検索すると、実に多くの「ハワイ出産」のホームページやブログなどが出てきます。コンサル業者さんのページや体験者のブログなどには、参考になる情報がたくさんあります。

  多くの方が「ハワイで出産体験」され、「ハワイ出産」の良さを感じていただいているのは、とても良いことだと思います。また、自宅に居ながらにして、ネットを通じて多くの情報が手に入ることも、それ自体とてもすばらしいことだと考えています。

 

 しかし、インターネット上の情報は「玉石混交」であることにもご注意ください。

 

 ネット上には「子供が生まれたら、両親はすぐにグリーンカードが発行される」とか「ハワイ出産は法律で禁止されている」などという明らかな間違いから、「英語もできない、予備知識もない、お金もない私でもできた!行けば何とかなる。大丈夫!」「強行したら1か月で帰れました!」という「武勇伝」まで、いろいろなお話があります。

 

 が、これまで100人近い妊婦さんたちの「ハワイ出産」に関わっている私たちから見たら、「それは違うかも」「あなただからできたのでは?」「それはただのラッキーですよ・・・」という情報が多いこともまた事実です。

 

  「出産」は、個人の体質や健康状態、経済状況、家族の状況などの「個人差」によって大きく状況が変化します。いくら実際に体験した人の話とは言っても、そうした様々な背景の差を考えず、安易に「できた人がいるから私も大丈夫」と根拠もなく信じてしまうことは大変危険です。

 

 たとえば、英語が堪能のご主人が、三か月間つきっきりでハワイで付き添い、分からないことがあったら全て何でも調べてくれる、という方がいます。また、学生時代にハワイに留学をしていて言葉もできれば土地勘もあり、友達がたくさんいる、という方もいます。また、そもそも奥様やご主人がアメリカ人・・・という方もいます。

 

 そんな方々にとっては「ハワイ出産なんてカンタン!全部自分でできます!」といういうものになります。彼らにとってそれは当たり前ですが、しかし、ほとんどの日本から渡航される妊婦さんにそんな好条件はありません。中には私たちが読んでいて「日本の妊婦さんにとても真似を勧められないこと」を勧められている方もいらっしゃいます。

 

 ネット上での情報を参考にする場合、まず、その情報が本当にご自分の条件に合うかどうかを吟味する必要があることに注意してください。

 

 

「悪い情報」はあまり表に出てこない

 というのは、SNSやブログ、そうした本や情報商材でも、皆さん「ハワイ出産のすばらしい体験談」はたくさんアピールされますが、一方で「悪いこと、イヤな目に遭ったこと」はまず書かれません。このことには十分注意してください。たとえば、これまでの事例としてこのようなことがありました。

 

①入国審査で引っかかって、結局ハワイに入れなかった。それだけでなく強制送還 

 になったので向う10年はハワイに入れなくなってしまった。

②出産前にあるものを買っておく必要があったのに、知らなかったため後で気が

 付いた時に大変面倒なことになってしまった

③届け出の書類にミスがあったのに気付かなかったため、子供の名前が登録されず

 その後の手続きが大幅に遅れ、帰国に間に合わなかった

④医療システムのことがよく分かってなかったので、届いていない請求書に気づか

 ず帰国、数年後に莫大な金額の請求書が日本の自宅に届いた

⑤やってはいけない余計なことを役所にしたため、強制送還されてしまった

⑥日本のつもりで暮らしていたら、あることで警察に逮捕されてしまった

⑦日本で医師にナイショにしてきたため、ハワイで重篤な病気が発見された

 

 ・・・・こんなことが実際に起こっても、インターネット上ではまず語られません。

 

 何の世界でも「成功者」がいれば「失敗者」もいます。そして出産の場合「失敗」は文字通り「命取り」につながる場合があります。出産は「やり直し」がききません。くれぐれもインターネット上での情報の取捨選択には、ご注意いただければと思います。

 

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