日本での出産との違い

医者と病院は違う?

 日本とアメリカの出産で一番違う点は?と尋ねられたら、まず第一に「医者と病院が違うこと」を挙げたいと思います。

 

 どういうことかというと、日本での出産の場合は、設備や評判などでまず「病院」を選びますね。そしてその「病院」に行くと「医者」がいて、場合によっては翌週は違う「医者」に診察を受けたりすることも珍しくありません(それでもカルテが渡されて、妊婦さんの診察に問題はありません)。

 

 しかし、アメリカではまず「医者」を選びます。日本でいう「かかりつけ医」を選ぶ形なのです。ふだんは街中にあるその医師のクリニック(簡単な診療所)で診察を受け、出産や手術などで設備や施設やが必要になった時に、医師と患者が相談をして「病院」を選びます。したがって、出産の時、医師と妊婦は病院で「待ち合わせる」ことになります。

 

 「病院に行ったらいつも診てもらえる医者がいる」日本とは違い、アメリカでは「医師」と「病院」はこうして社会システムとして完全に独立しています。

 アメリカでは病院とは、多くの医師や患者に対し特別な施設や設備を提供する、いわば「器貸し」のサービス機関とお考えください。したがって、医師は「病院」とは雇用関係にあるわけではなく単なる「提携先」「取引先」でしかないのです。   

 

 したがって出産後の精算はすべてそれぞれ別になりますのでご注意ください。日本人の感覚だと「病院」の支払いを終えたら、すべて精算が終わってしまったような気分になりますが、実はそれと前後して、産婦人科・小児科・病院、場合によっては麻酔科や検査室(ラボ)から、それぞれ別の請求書が届き、別々に精算するのです。

 アメリカの病院は各医者の会計をまとめてはくれません。日本の病院とは、そこが違います。くれぐれもご注意ください。

 

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